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多様性を活かした社会価値創出

先日のQuarterlyミーティングで「多様性を活かした価値創造」についてお話ししました。ソニーが多様性を活かし、創出できる価値には、社会への貢献を目的とした価値もあると考えています。⻑期視点で持続的な社会価値と⾼収益を創出する、という 経営方針もそうした考えに基づいています。

設立当初からの社会貢献への思い

社会への貢献という姿勢はソニーの設立当初からあったものです。

ファウンダーの井深さんはさまざまな社会貢献の活動を自ら推進されました。戦後、日本の復興のためには理科教育こそ重要だと考えていた井深さんは、会社経営がようやく軌道に乗り始めた 1959年、理科教育に創意工夫を行い、先進的な取り組みを行う学校を表彰して助成する活動を始めました。そして、この活動を継続的に発展させるため、1972年に財団法人 ソニー教育振興財団を設立しました。教育への関心は幼児教育にも広がり、1969年には財団法人 幼児開発協会を設立。これら2つを2001年に統合し、2011年より公益財団法人 ソニー教育財団が発足しました。

また、1978年には障がい者の社会参加を支援する目的で、ソニー製品の設計から製造を担うソニー・太陽を設立しました。その際に井深さんが贈った「障がい者だからという特権なしの厳しさで健丈者*1の仕事よりも優れたものを」という理念を受け継ぎ、1981年には栃木県鹿沼市にスピーカーシステムなどを製造する希望工業が、2002年にはソニー本社内に清掃や事務サポートを担うソニー・光が設立され、2015年にその2社が合併し、ソニー希望・光が発足しています。

*1) 障がいがなく 『丈夫』 な人はいるが、 『常に』 健康な人はいないという井深さんの考え方を踏まえて表記したもの

ソニー希望・光への訪問

先日、本社ビルにあるソニー希望・光を訪問した際に、多様な個性を活かしながら、常に新しいことに挑戦し続けることで活躍の場を広げてきたというお話を伺いました。

ソニー希望・光の皆さんと(クリックして拡大)

今では約80名の社員の皆さんが、ソニー本社、大崎、厚木にて、清掃やリサイクルなどの「オフィス環境整備」、総務カウンター、メール集配、研修テキスト印刷、名刺作成、PDF化、データ入力、伝票整理、書類処理、企業内保育所入園申し込み受付などの「事務サポート」業務を担い、ソニーグループのオペレーションを支えてくれています。皆さんが熱心にそれぞれの担当する業務について説明してくれたのが非常に印象的でした。

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また、オフィスの壁にソニー希望・光のスローガンを見つけました。その中には「全ての人に感動を与える仕事をします」という一文があり、ソニーグループの一員として共通の志のもと日々の仕事に打ち込んでいただけていることを実感できました。私からは、「多様性を希望に、個性を光に」ということばを皆さんに贈りました。

ソニーCSLでの多様性を活かした取り組み

10月下旬にはソニーコンピュータサイエンス研究所(ソニーCSL)設立30周年を記念したオープンハウスに出席してきました。ご存知の通り、ソニーCSLは応用可能な基礎研究により社会・産業の発展に貢献することを目的に設立され、現在では東京とパリに拠点があります。オープンハウスを通じて感じたのは、研究者一人ひとりの能力の高さはもちろんですが、やはり専門分野やバックグラウンドが異なる多様な研究者が同じ場で集い、研究することの相乗効果です。互いから刺激を受ける環境があるからこそ、それが原動力となり、高い成果を組織として30年も出し続けているのだと思いました。

その中で、今回は多様性による社会価値の創出に関連して、2つの取り組みを紹介したいと思います。

1つが、生物・植物の多様性を軸に、社会価値(経済)と環境価値(生物多様性)の両方の実現をテーマに据えた「協生農法」という舩橋 真俊さんの取り組みです。舩橋さんは、200種を超える有用植物をはじめ、"超"多様な生き物が共存する環境を作ることで、農薬や肥料をまったく使うことなく、農作物の生産性を上げると共に、砂漠化した土壌を再活性化させる研究をされています。2015年より、西アフリカのブルキナファソで実証実験を行っており、それまで砂漠化していた土地を見事に緑化させ、その地域の人たちの生計にも大きく貢献できることを実証しています。多くの環境保全活動が、負荷をなるべく減らしゼロにすることを目的としていますが、舩橋さんは彼の活動を通じて環境を以前よりもよりよくすることを目標とされており、その視点は新鮮でした。

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もう一つが、2020年の東京パラリンピックにて義足のアスリートが100メートル競走で健常者のアスリートチャンピオンよりも速く走ることを目指し、スポーツ義足の基礎研究から商品開発までを行っている遠藤 謙さんの取り組みです。遠藤さんはロボット義足をはじめ、3種類の義足の研究開発を進めていますが、スポーツ義足の実用化においてはXiborgという会社も設立されています。Xiborg社の掲げる「われわれは、テクノロジーを通してすべての人に動く喜びを届けられるような社会を目指します」は、ソニーの志と共通する点をもつものと感じました。

20181121_04.jpg遠藤さん(右端)から最新のロボット義足をみせてもらう。
中央はソニーCSL所長の北野さん

ソニーが、自社のイメージセンサーの技術を使って自動運転時代の安全へ貢献すること、ORBEYEのような医療機器を通じて精密な外科手術をサポートし、医療の分野でも貢献すること、など長期的な視点から取り組んでいくことはこれまで折に触れてお話してきました。

モビリティや医療以外にも、このブログで紹介したようなさまざまな取り組みがあります。ソニーの多様性を活かした事業や製品、研究そのものを通じての社会価値の創出を日々の企業活動の一環として皆さんと共に推進していきたいと思います。

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