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長崎・熊本テックと世界経済フォーラム夏の会合

夏休みを挟んで、8月上旬には約1年ぶりにソニーセミコンダクタマニュファクチャリング(SCK)の長崎と熊本のテクノロジーセンター(テック)を訪問してきました。そして8月下旬は、ダボス会議を開催している世界経済フォーラムという国際機関の分科会の1つであるInternational Business Council(IBC)Summer Meeting 2019に出席してきました。

一年ぶりの長崎・熊本テック訪問

昨年7月に長崎と熊本テックを視察して以来、ちょうど一年ぶりの訪問となりました。長崎テックでは主にスマートフォン向けのCMOSイメージセンサーの開発・生産を行っているのですが、スマホに搭載されるカメラの多眼化・大判化によってセンサー需要は拡大しています。そうした需要に応えるためにも長崎テックFab1では生産ラインを200mmウェーハから300mmウェーハ対応へと転換しており、今回は特別に、クリーンルームの上層と下層を見学させてもらいました。上層・下層ともにクリーンルームそのものではないので、クリーンスーツ無しで入ることができます。

img_20190830_01.jpg 長崎テック長の太田さんの案内で300mm化したFab1棟 4階のクリーンルームを視察

クリーンルームの上層には、クリーンルームの湿度と温度をコントロールする空調施設、そして私も今回の見学で初めて知ったのですが、下層にはシリコンウェーハの加工設備である真空ポンプやシリコンウェーハに回路パターンを作る工程で使用する露光装置(フォトリソグラフィー)のレーザーの出力機が設置されていました。

img_20190830_02.jpg クリーンルームの上層では、ファシリティ部門長の川下さんが、FFU(ファンフィルタユニット)を使って
浄化した空気を一定の湿度に加湿し、クリーンルームへ供給している状況を報告
img_20190830_03.jpg クリーンルームの下層で、露光機用のレーザー光源を視察

この他、今後も需要拡大が見込まれるCMOSイメージセンサーの生産能力増強のための設備投資についても、その準備状況を視察してきました。

img_20190830_04.jpg 将来の増強に備え、老朽化したファシリティの建屋を解体している現場を視察

続いて訪れた熊本テックでは、ソニーセミコンダクタソリューションズ(SSS)社長で、SCK社長でもある清水さんにも合流して頂き、車載用CMOSイメージセンサーの開発状況と、プロジェクター向け液晶ディスプレイデバイス(SXRD)や有機ELマイクロディスプレイ(M-OLED)など、シリコンウェーハを活用したディスプレイデバイスの現況について報告を受けました。

イメージング・センシングソリューション事業の国内事業所について

長崎、熊本に加えて、ソニーのイメージング・センシングの主な開発・生産拠点は、山形、大分、鹿児島、白石蔵王(宮城県)にもあります。半導体の製造拠点の中では、今年11月で設立50周年を迎える白石蔵王テックだけまだ訪問したことがないので、ぜひ近いうちに行きたいと考えています。白石蔵王テックは、半導体レーザーの開発・生産拠点で、今後レーザー技術は顔認証を含むスマホでのセンシングや自動運転時代のアクティブセンシングにおいて不可欠なものとなります。

イメージング・センシングは「人に近づく」技術

SSS、SCK、そしてソニーLSIデザインが担当するイメージングとセンシングの技術は、デジタル一眼カメラαやスマホ、自動運転などの領域で、人の眼となり、人の眼の能力も超えることで、クリエイターのクリエイティビティの支援、そして、安心・安全への貢献を果たしています。イメージング・センシング技術はソニーのコア技術の一つで、今後、益々成長が期待されている領域です。AIの組み込みなど、「人に近づく」技術に更に磨きをかけ、現行の法人顧客ビジネスに加え、独自のソリューション提案型ビジネスにもチャレンジして欲しいと思います。

今回の訪問に関してはInter Sony掲載のこちらの記事もご覧ください。

International Business Council (IBC) Summer Meeting 2019

世界各国のビジネス界、政界、学界および社会のリーダーが出席する世界経済フォーラムという国際機関が年次開催しているダボス会議については皆さんもご存知だと思います。その分科会の1つで各国・地域のCEOを対象とした経営者のコミュニティのIBC Summer 2019に今年初めて参加してきました。夏の会合はダボスではなく、スイス・ジュネーブにある世界経済フォーラムの本部で開催され、今年はおよそ50名のビジネスリーダーが2日間の会合に参加しました。

IBC参加者との集合写真
世界経済フォーラム本部に隣接する ファウンダー 兼 会長であるシュワブ博士邸にて
(クリックして拡大)

来年2020年1月のダボス会議のテーマ「Act for Impact」に向けて、産業界がどのように社会的重要課題に取り組み、リードしていくかという議題で、初日は、ドイツの元国防相で女性として初めて欧州委員会委員長に就任予定のウルズラ・フォン・デア・ライエンさんが参加するパネルセッションが行われました。初日の会合での私の隣の席は、アメリカ元副大統領で、環境活動家としてノーベル平和賞を受賞したアル・ゴアさんでした。

img_20190830_07.jpg img_20190830_08.jpg
世界経済フォーラムの本部ビル

各地域の政治・経済状況についてのディスカッションに加えて、技術の変化や平均寿命が延びる中での雇用に向けた技能の向上、再教育の必要性、気候変動に対する危機感と対応、AI活用と濫立する規制の認識などについても活発な議論が行われました。多数ある大きな社会問題に対して、個別企業のアピールをするのではなく、あくまでも産業界全体のあるべき姿、方向性に議論が集中していたことが印象に残りました。そして、この会合を機に、欧州を代表する企業トップとの個別の会話の機会が持てたことも収穫のひとつです。

ソニーはグローバルに多岐に渡るビジネスを展開しています。世界情勢が不透明な状況だからこそ、こうした会合に積極的に参加し、意見を交わすことに意義を感じました。引き続き、こうした外からの学びを大切にしたいと思います。

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