English

Japanese

バーチャルプロダクションのフロントランナー

STEF 2020 ・リモート開催

12月9日から三日間、STEF 2020 ONLINEが開催されました。テーマは、「感動を生む、テクノロジー」。勝本さんのアバタが印象的なオープニングメッセージでは、ソニーが得意とするReality、Real-timeのテクノロジーにRemoteを加えた「3R」を軸にSTEFを開催する旨の説明がありました。

3Rはクリエイター、ユーザー、そしてコロナ下で社会から求められている技術でもあります。

Reality:"空間を把握し、表現する" テクノロジー、Real-time:"即時性や高速処理、瞬間を捉える" テクノロジー
Remote:"時空間をつなぐ" テクノロジー

EPIC Gamesに学ぶ ~Tim Sweeney氏講演

STEFの特別講演として8日には、Fortniteを運営し、ソニーも今年出資したEpic Gamesファウンダー ・CEO のTim Sweeney氏によるスピーチが行われ、全世界700名以上のソニーグループ社員がリモート参加しました。私も視聴し、この後述べるVirtual Production(VP)について質問しました。

Epic Gamesも、ユーザーとクリエイターに近づくことを実践している企業です。同社はユーザーに向けては、Fortniteというメタバースを提供しており、今回の講演はこの話が中心でした。Fortniteは、コンソールやモバイルとのクロスプラットフォームでその世界を拡げ、遊ぶ場所から集まる場所へと進化するとともに、ゲーム内でのUGC(ユーザー作成コンテンツ)機能も提供しています。
※インターネット上に構築された仮想の3次元空間。

クリエイターに向けては、ゲームエンジンのUnreal Engineを開発しており、ゲームやCGベースの映像制作以外に、最近ではVPにも欠かせない技術となっています。

進化するVirtual Production

映像制作現場におけるVP技術の活用は、今年一挙に進みました。コロナ下でのニーズの高まりや、ゲームエンジンに加えAIによるレイトレーシングのリアルタイム化、そしてそれらとディスプレイ、カメラなどを同期させる技術の進化が背景にあります。
※光の反射や陰影を、リアルタイムで生成する技術

こうしたVP技術を活用した作品の代表例が、ディズニープラスの『スター・ウォーズ』スピン・オフ作品『マンダロリアン』(The Mandalorian )です。同作シーズン1の半分以上のシーンが、直径約23メートルのスペースを、270度、高さ約6メートルのLEDウォールが囲む、デジタル撮影スタジオで撮られたとのことです。Unreal Engineなどの技術により、高精度にリアルタイム・レンダリングされた背景映像が、撮影カメラの動きに追従する形でLEDウォールに映し出される仕組みです。

10月のグループクォータリーミーティング(GQM)でも紹介しましたが、ソニーグループにも、カルバーシティにSony Innovation Studios(SIS)があります。『マンダロリアン』では、現実には無い世界をリアルタイム合成で背景に映し出していますが、SISは、スタジオセットなどの現実世界の3Dキャプチャーを行い、それを忠実にリアルタイムで合成映像の中で再現できることが強みです。

今年1月のCES2020でのSISによるデモの様子。ソニー・ピクチャーズのスタジオの一部を
高解像度3次元データとして取り込み、背景映像としてディスプレイに映し出すバーチャル制作を紹介した。

ソニーのアイデンティティは、「テクノロジーに裏打ちされたクリエイティブエンタテインメントカンパニー」です。映像制作面でもテクノロジーを活用し、VPの分野でもフロントランナーでありたいと思います。そのためには、自社の技術を囲い込むのでなく、拡げるという発想も必要になります。全ての事業において、それぞれの領域で強みを持つ社内外のパートナーと協力し、「世の中で一番良いもの」を作りあげていきたいと思います。

因みに、撮影に制約がある環境でも、ロケ地への移動を伴わずに制作を可能とするVPは、クリエイティブのサステナビリティを支える技術とも言えます。

2020年の振り返り

今年のSTEFのテーマは「感動を生む、テクノロジー」でしたが、副題は、「人、社会、地球が抱える課題をテクノロジーで解決」でした。2020年を振り返ると、まさに「人、社会、地球のサステナビリティ」が問われた一年であったと思います。先日のGZEROサミットでも、そのような話をしました。宜しければ、皆さんもご覧ください。

2020年は、パンデミック下でも、人々はエンタテインメントを求めているということを実感した年でもありました。私自身も、ソニーの存在意義を改めて考え、見つめなおしました。こうした中で、ソニーグループの社員一人ひとりが、働き方を変え、工夫しながら、世の中に感動を届ける努力をし続けてくれたことに、心から感謝しています。2021年も、皆さんと力を合わせて、私たちのPurpose「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす」を、実践していきたいと思います。年末・年始も皆さんご自身とご家族の健康と安全に気を付けて、過ごしてください。

いつも通り、みなさんのフィードバックをお待ちしています。

記事カテゴリ

関連リンク